JIM THOMPSON

ジム・トンプソン


1948年、アメリカ人のジム・トンプソンによって設立されたタイのブランドです。 「タイシルク商会」から始まったブランドで、手織りの上質なタイシルクは全世界を魅了しています。

タイシルクの歴史は古く、2000年前に遡ると言われています。

紀元前2640年頃に絹織りの起源が始まった古代中国やインドでシルクが誕生した後、中国人商人によって、中国やインドとは異なるアジアの地域に広がっていきました。

考古学者がタイのバンチェン遺跡(この場所は東南アジア最古の文明であると多くの人に考えられています。)で3000年以上も古いシルクの最初の繊維を発見したことが、いくつかの報告によって示されています。

タイ北東部のコラート地方で、桑の葉を食べる蚕から糸を紡ぎ、織物を制作していました。しかし、コラート高原で生産されたシルク製品は一般的に家庭用として使用され、一方でタイ王室は中国から輸入されたシルクを好んでいました。

タイ北東部に暮らす人々にとってシルクは家族の衣服であり、生活の糧でした。しかし20世紀初頭、生活様式の変化や外国製の絹織物の流入を受け、家内工業としてのタイシルクは、一時衰退の一途を辿ります。

日本の養蚕の専門家、富山亀太郎の支援によって、産業を発展させる試みが20世紀初頭に行われましたが、これらの試みは、より大きな市場向けに生産する動機が足りなかったために失敗に終わりました。

第二次世界大戦後、シルク製品はアメリカの家庭で人気が再び戻りました。

当時、アメリカのOSS(戦略情報局)のバンコク支局長だった、ジム・トンプソンは、タイに残り、当時バンコク唯一のヨーロッパ風ホテルとして知られていたオリエンタル・ホテル(現在のマンダリン・オリエンタル・バンコク)の経営に携わった後、当時機械織りによる大量生産の普及などで衰退の一途をたどっていたタイ・シルクに着目します。

ジムトンプソンは、タイで、タイシルクの美しさに魅せられ、その産業の復興に尽力しました。彼は、伝統的なシャム材料としてのマーケティングを彼のNYでのコネクションを通じて始めることにしました。手織りの技術を継承し、独特な色使いと柄を開発することで、タイシルクを再び世界に広めました。

やがてファッション誌「VOGUE ヴォーグ」に取り上げられるなど、一流のデザイナーブランドとしての名声を得るに至り、タイ王国に偉大な功績を残した外国人に与えられる「白象勲章」を授与されています。

タイシルクは、南国らしい鮮やかな色使いが特徴です。また、オリエンタルな柄や模様が施されており、独特の雰囲気を醸し出しています。シルク特有の滑らかな肌触り、吸湿性と通気性が良く、着心地も快適です。また、手織りの温かみと独特なデザイン、そしてシルクならではの光沢感から、高級感も感じられます。

「ジム・トンプソン」ブランドのブティックは、バンコク都内をはじめとしたタイ国内だけでなく、ジム・トンプソンの母国アメリカ、イギリス、日本など世界各国に展開しています。

トンプソンはタイやカンボジア、ビルマなどの古美術の収集家としても著名であり、当時収集した美術品の多くは、失踪前に暮らしていたバンコク中心部にある、タイ風建築を取り入れ自ら設計した屋敷「ジム・トンプソン・ハウス」に今も飾られています。



jimthompsonhouse ジム トンプソンの家



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