Aimez-vous Brahms?

ブラームスはお好き


1959年に発表されたフランスの作家フランソワーズ・サガン作の小説です。



ブラームスはお好き (新潮文庫) | フランソワーズ サガン, Francoise Sagan, 朝吹 登水子 |本 | 通販 | Amazon

サガンがデビュー作『悲しみよこんにちは』(Bonjour Tristesse )から5年後の23歳の時に書いた作品で、ストーリーはパリを舞台に3人の男女が織りなす恋物語です。

題名の「ブラームス」は作曲家のヨハネス・ブラームスのことで、「ブラームスはお好き」は、シモンがプレイエル・ホールでのコンサートにポールを誘う手紙の中で「ブラームスはお好きですか?」とさりげなく問う一文から。

若くして1度離婚した後、現在は装飾デザイナーの職につき経済的に自立した39歳の独身女性ポールが主人公です。

互いに束縛せず、同棲もせず、お金の貸し借りもなし、という約束のもと、同じ独身の中年男性ロジェと交際を続けてきたポールはある日、若く心優しい25歳の青年シモンに出逢います。

ポールもロジェと同じく何をしても良いという約束だが、ロジェの気まぐれさに寂しさを感じ、でも約束のため言えず孤独だったポールは、ロジェを愛しながらもいつしかロジェとは正反対の繊細なタイプで、自分に積極的にアプローチしてくるシモンに少しずつ惹かれていきます。

時には寂しさに涙しながらも長い関係を築いてきたロジェか…、裏表のないストレートな気持ちで自分を求めて来る年下のシモンか…、ポールの心は揺れ動きます。

それまでは仕事中心で他の若い女達と浮気をし、ポールをあまり省みなかったロジェは、シモンの存在を知り焦ります。

しかし、約束で深入りせず、今の若い浮気相手のメージーとも関係を続けます。やがて、ポールとシモンは同棲を始めますが...。

高校生の時に読んで以来ですが、『悲しみよこんにちは』も併せて、メランコリックな印象の小説だったと思います。

近日Netflixで配信されている、『エミリー、パリへ行く』というドラマがありますが、「ブラームスはお好き」の現代版で、似たような題名にすると、「パリはお好き?」になるのでしょうか。

こちらは、2020年に配信されたアメリカ合衆国のテレビドラマシリーズで、シカゴからパリに移住したエミリーの生活を描くコメディドラマです。




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