L'appel du large
「冒険の呼び声」
エルメスの2026年の年間テーマは「冒険の呼び声(L'appel du large)」です。
未知なる世界や自分自身の内側へと飛び出す挑戦や、クリエーションにおける予期せぬ驚きや発見を表現しています。
19世紀初頭に創業者ティエリ・エルメスが故郷を離れパリへ旅立った時から続く、メゾンの冒険心や挑戦の姿勢が基になっています。
花のモチーフを自在に操るテオ・デ・グエルツは、エミール・エルメス・コレクションに収められた一枚の版画から新たな着想を得ました。
18世紀から19世紀にかけてフランスで大流行を見せた軽やかで機敏な馬車ですが、パリの石畳にはあまり適していなかったとも言われています。
そのためでしょうか、この情景には都市の気配がほとんど感じられません。豊潤な楽園に迷い込んだらしき馬車のまわりでは、いたずら好きの小さな猿たちがサスペンションや車輪を蔓と見立てて戯れています。
野性と洗練が交差する、車輪ひとつで辿り着く異世界です。
2026年4月23日(木)~25日(土)に、イタリア・ミラノで行われたミラノデザインウィークにて、エルメスの新しいホームコレクションを発表しました。
オブジェから空間へ、通路のあいだを、一人の旅人がさまよう。
イギリスのデザインデュオ、エドワード・バーバーとジェイ・オズガビーが手がけたテーブル《スタジアム・ドゥ・エルメス》。
8の字を描くようなフォルムは、馬の背のしなやかな曲線や競馬場のトラックを思わせます。全体は大理石のマルケトリで仕上げられていながら、その佇まいは驚くほど軽やかです。
馬といえば、今では、日本でも競馬ぐらいしか楽しみがない時代ですが、20世紀初頭に自動車が普及するまで、移動手段として、馬の足無くしては移動できなかった時代から着想を得て、現代の生活にも好まれるようなデザインやモチーフを生み出す力は、まさに「冒険」だと思います。
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